苦し紛れに・・・

毎日泣いてばかりいた。
泣いても泣いても涙はなくならなかった。
NAKAJIが仕事に出かけて一人っきりの昼間は、声を上げて思いっきり泣いた。
ひとしきり泣くだけ泣くと、ちょっとだけ気持ちが落ち着くような気がした。


流産の診断が下ってから、NAKAJIとはたくさんたくさん話をした。
今回のことは無かったこととして、忘れてしまった方が良いのだろうか?
気持ちを切り替えて、はい次・・・と思うべきなのだろうか?


しかし私達夫婦は、それはちがうと思った。
無かったことになんかできない。だって実際にお腹の中にベビちゃんはいたんだから。
はい次、と割り切ることなんかできない。だって物じゃなく、家族を亡くしたんだから。
今回の赤ちゃんが天国に行ってしまい、もう戻ってこないとは思いたくなかった。
私達は、苦し紛れに、
「ベビゃんは大きな忘れ物をしたから、忘れ物を取りに天国へ戻っただけ。忘れ物を取ったら、またすぐに戻ってきてくれる」
と信じることにした。