遺品の片づけ

母が亡くなって以来、父は母が生きて居たままにしておきたいと、これまで形見分けもせず、部屋の中もそのままにして過ごしてきました。
しかし今春から姉家族が同居を始めたこともあり、急遽母の遺品や室内の片づけをする必要が生じました。
本来なら春のお彼岸に一週間帰省して片づける予定でしたが、東日本大震災後で帰省を断念。
このお盆から三回忌法要までの数日でやることになりました。


今日は先ず父の寝室から取り掛かります。
これまで父は、仏間に布団を敷いて寝ていました。
高齢の父が布団の上げ下げをせずにすむようにと、隣の和室にある母の衣類や鏡台などを動かし、そこにベッドを置くことにしました。
三面鏡がついている母の鏡台は、母が約五十年前、父のもとへとお嫁に来た時の嫁入り道具。
母が亡くなる直前までこの鏡の前でお化粧をしてきたもので、父としても思い入れが非常に強い鏡台です。
確かに年代物で今はやりのデザインではありませんが、彫刻の施されている引き出しや三面鏡、姉は要らないと言いますが、とても処分して捨てる気にはなれません。
NAKAJIに相談したところいいよと言ってくれたので、私が貰ってつくばの我が家に運ぶことにしました。


洋服の他にも手芸用品や母が手作りした品々。
手仕事が大好きだった母はこれまで様々な種類のたくさんの物を作ってきて、材料もまだまだ残っています。
端切れに刺しゅう糸、フェルト、毛糸・・・。
母の手術前日、「あのたくさんの材料を全部使い切るまでは死なれないんだからね」と話して笑いあったんですが、残念ながら手術は失敗し、母は天国へと旅立ちました。
その作品をただ箱に入れてしまっておくのはもったいないので、NAKAJIに収納ケースを買ってきてもらい、きれいに並べて父がいつでも開いて見られるようにしました。


そして何十年と生け花を続けてきた母。
生け花の本、花器や剣山、これらも私がもらうことになりました。
中学高校時代、母に習ったこともありましたが、本格的に私の身にはついていません。
しかし母はそんな私の名前が書かれた教本も、大切に取っていてくれました。
残念ながらつくば市には母と同じ流派の龍生派はないようです。
毎週お稽古に通うことはできませんが、これから少しずつ自分なりに教本などを見ながら、生けてみようかと思います。
そして智ちゃんが大きくなった時には、この子へ譲り渡していけたらいいなあ。