智ちゃんとおばあちゃん

母が亡くなった翌日、NAKAJIと桐生の母が智ちゃんを連れて八戸の実家に駆けつけてくれました。
何も分からない智ちゃんは「ばあちゃん、ただいま!」と大きな声で玄関を入ってきました。
その後、「ばあちゃん、いない」とつぶやくようになり、少しずつ幼いなりに状況を理解していったようです。


「じいちゃんばあちゃん」という言葉を言えるようになったところだったので、智ちゃんにとっては「じいちゃんばあちゃん」がちょうど盛んに話したい言葉でした。
智ちゃんはおじいちゃんだけ、あるいはおばあちゃんだけを呼びたい時も、いつも二人セットで「じいちゃんばあちゃん」と呼んでいましたが、お葬式の時には遺影を指さし、「ばあちゃん、ばあちゃん」と言っていました。


 澄阿秋月靜大姉


母の戒名です。
つくばに戻って来てから、夕方お月さまが見え始めると、智ちゃんはベランダに出てよくお月さまを見るように変わりました。
暗くなってからベランダに出て何かを指さしながらママを呼ぶなんて、最初は何を言っているのか分かりませんでした。
が、智ちゃんの目線にしゃがんで指さす方を見ると、そこにはきれいなお月さまが。
「ああ、お月さまを見つけたの?」と尋ねると、うれしそうにニッコリ笑ってうなずく智ちゃん。
不思議とお月さまに興味を持ち始めた智ちゃんに、「おばあちゃんは亡くなってお月さまになったんだよ。お月さまになって智ちゃんのことを天国から見守っているからね」と教えてあげました。
それから毎日お月さまを見つけては、「ばあちゃん」と指さしています。


智ちゃんが生まれた翌日、初めて智ちゃんを抱く母。

智ちゃんを沐浴してくれた母。

父と並んで智ちゃんを抱き、嬉しそうに微笑む母。

今年のゴールデンウィーク蕪島うみねこに餌をあげる母。

智ちゃんと遊んでくれた母。


まだ2歳3カ月の智ちゃん。
どうか少しでもおばあちゃんのことを覚えていてくれますように。