のうぜんかつら

近所に「のうぜんかつら」の花が見事に咲いているお宅がある。


のうぜんかつらというと祖父を思い出す。
この花は祖父が好きな花だった。
私が子供の頃、この時期家に遊びにやってきた祖父は、
「○○さんのお庭にのうぜんかつらが見事に咲いている」
と母に話していたものだった。


花が好きで、庭いじりが好きな祖父は、家族がまだ眠っている早朝、
よく我が家に静かにやってきて、庭の草むしりをしてくれた。
そして、母が山から取ってきた山草が、かわいいつぼみをつけていても、
きれいに刈り取ってくれていた(^^;
(山草であっても、祖父が知らないものは全てただの草なのだ)


私が学研の付録についてきたグラジオラスの種をまき、
割り箸で囲いを作って「私の花壇♪」と満足気に作った翌朝、
割り箸を引っこ抜かれ、菊の苗をその場に植えられていたこともあった。
まだ小学校低学年だった私は、泣いて祖父に怒った記憶がある。


祖父が亡くなってから、もう10年以上になるが、
この時期のうぜんかつらをみると、いつも浮かんでくる思い出である。